玄関の土間が奥行き910mmだと狭いかを、一級建築士がたくさんの図を使って検証します。
戸建ての場合、玄関の土間の奥行きは1,365mmがスタンダード。
でも、土地や間取りの都合で玄関の土間の奥行きを910mmにすることは、わりとよくあります。
そこで気になるのが、狭いと感じるか否か。
広い狭いの感覚は人それぞれなので、一概に「奥行き910mmの玄関は狭い」とか、「広い」とかは言えません。
でも、図にするとすごくイメージがしやすいので、奥行き910mmの玄関の土間を以下の幅別に図解していきます。
- 玄関の土間の奥行き910mm×幅1,365mm
- 玄関の土間の奥行き910mm×幅1,820mm
- 玄関の土間の奥行き910mm×幅2,275mm
- 玄関の土間の奥行き910mm×幅2,730mm
玄関の土間は、奥行き910mmだと狭いか否か—
まずは、「土間の奥行き910mmが狭いと感じるかどうかを左右する3つのポイント」についてお話ししますが、その前に……

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玄関の土間の奥行き910mmは狭いかどうかはこれで左右される
玄関の土間の奥行き910mmを狭いと感じるかどうかは、以下の3つのポイントに大きく左右されます。
- 玄関の土間の「幅」
- 玄関を同時に使用する人数
- 玄関ホールとのバランス
玄関の土間の「幅」
玄関の土間の奥行き910 mmを狭いと感じるかどうかのポイント、1つ目は「幅」。


同じ910mmの奥行きでも、幅が違えば玄関の見え方、使い勝手は全く違います。
玄関の奥行きが910mmの場合、幅は最低でも1,365mmはほしいところ。
後ほど、以下の幅別に図解していきます。
- 玄関の土間の奥行き910mm×幅1,365mm
- 玄関の土間の奥行き910mm×幅1,820mm
- 玄関の土間の奥行き910mm×幅2,275mm
- 玄関の土間の奥行き910mm×幅2,730mm
玄関を同時に使用する人数
玄関の土間の奥行き910 mmを狭いと感じるかどうかのポイント、2つ目は「人数」


玄関の奥行きや幅は「大人2人が立って、狭いと感じない」広さで設計するのが基本です。
でも、生活のスタイルは家族ごとに異なるもの。
玄関を1人で使うことがほとんどならば、土間を広くするよりも収納や部屋を大きくしたほうが得策です。
この記事では、大人と子供を2人並べて図解していきますが、あなたが何人で玄関を使うかを意識しながら、読み進めていってください。
玄関ホールとのバランス
玄関の土間の奥行き910 mmを狭いと感じるかどうかのポイント、3つ目は玄関ホールとのバランス。


玄関の土間の奥行きが910mmなのに、玄関ホールの奥行きがやたら広い間取りをたまに見かけますが……
/
めちゃくちゃ、
バランスが悪いです!
\
バランスが悪いだけでなく、玄関の土間の狭さが、より一層際立ちます。
奥行き910mmの玄関の土間に合う玄関ホールの奥行きは、たった2つだけ。
こちらも後ほど図解します。
玄関の土間の奥行き910 mmを狭いと感じるかどうかのポイントを3つお話したので、次は玄関の広さ感を幅ごとに図で確認していきます。
玄関の土間の奥行き910mm×幅1,365 mm
土間の奥行き910mmに対し、幅1,365mmの玄関を見てみましょう。


平面図にすると、こんな感じ。


2人立つと、もうギッチギチです。
玄関収納の扉を開けると、さらに狭い感がアップ。
玄関を2人で使うことが多いなら、あまりおすすめしないサイズ感です。
私の独断ではありますが、玄関の土間の奥行きが910mmの場合は、幅1,365mmがミニマム。
これ以上狭い玄関は使いにくいし、戸建て住宅の玄関にふさわしくないと考えています。
玄関の土間の奥行き910mm×幅1,820 mm
土間の奥行き910mmに対し、幅1,820mmの玄関を見ていきましょう。


平面図にすると、こんな感じ。


狭いながらも、ギチギチ感は少し和らぎましたね。
玄関収納の扉を開けるときも、反対側にずれることができるので、使いやすくなりました。
玄関の土間の奥行き910mm×幅2,275 mm
土間の奥行き910mmに対し、幅2,275mmの玄関を見ていきましょう。


平面図にすると、こんな感じ。


個人的には、奥行き910mmの玄関土間の場合、幅は2,275mm以上あると狭い感じがせず、見た目も使い勝手もよくなると思っています。
玄関の土間の奥行き910mm×幅2,730 mm
土間の奥行き910mmに対し、幅2,730mmの玄関を見ていきましょう。


平面図にすると、こんな感じ。


ちょっと、幅が広すぎかなと思う人もいるかと思いますが、この玄関の土間サイズも結構イイですよ。
土間の端にグリーンや傘立てを置いても、いい感じになります。
玄関の土間の奥行き910 mmとホールのバランス
続いて、土間の奥行きが910mmの玄関に対し、それに合うホールのバランスを見ていきましょう。
土間の奥行き910mmに合う玄関ホールの奥行きは、以下の2つだけです。
- 土間の奥行き910mm×玄関ホールの奥行き910mm
- 土間の奥行き910mm×玄関ホールの奥行き1,365mm
平面図にすると、こんな感じ。
- 土間の奥行き910mm×玄関ホールの奥行き910mm


- 土間の奥行き910mm×玄関ホールの奥行き1,365mm


これ以上奥行きの小さい玄関ホールは現実的ではないし、逆に、大きい玄関ホールはバランスが悪くなります。
参考までに、玄関ホールの奥行きが1820mmのバランスを見てみましょう。
土間の奥行き910mm×玄関ホールの奥行き1,820mm


バランスの悪さが伝わったでしょうか?
空間が広いのに、玄関の土間部分だけ、やたら狭いのがすごく目立ちます。
玄関ホールの奥行きが1,820mmとれるなら、玄関の土間を910mmではなく1,365mmにして、ホールを1,365mmにするのがベター。
- 土間の奥行き1,365mm×玄関ホールの奥行き1,365mm


バランスがグッとよくなりましたね。
このように、玄関の土間の奥行きは、玄関ホールとのバランスもよく考えながら決める必要があります。
玄関の土間の奥行き910mmは狭いか|まとめ
玄関の土間の奥行きは、同じ910mmでも、幅や使う人数、玄関ホールの奥行きによって、狭いと感じるか否かが左右されます。
910mmの土間の場合は、最低でも1,365mmの幅が必要。
狭いと感じない広さを望むなら、幅2,275mm以上あるのがベターです。
玄関は外出の行き帰りに必ず通る場所。
リビングや他の空間を優先するあまりに狭くしすぎると、後悔する可能性も。
この記事を参考に、あなたにとってベストな玄関の奥行きが見つけられたら、とてもうれしく思います。