4畳のウォークインクローゼットは、レイアウトや間取りによって使いやすさや収納量が大きく左右されます。
同じ4畳のウォークインクローゼットでも、もっとも収納量が多いレイアウトと少ないレイアウトとでは、トータルの収納長さが2mも違うのです。
2mって言われてもピンとこないな
わかりやすく、服の枚数で比較してみますね。
- もっとも収納量が多いレイアウト→94~125枚の服が掛けられる
- もっとも収納量が少ないレイアウト→69~92枚の服が掛けられる
2m違うことで、掛けられる服の枚数が25~33枚も変わります。
ハンガーパイプを上下2段にすれば、50枚以上違うよ!
4畳という貴重な空間を使って造るウォークインクローゼット。
レイアウトや間取りをじっくり検討して、あなたにとってもっとも使いやすいものにしましょう。
まずは、4畳のウォークインクローゼットがどのくらいの広さなのかを確認することから始めますが……
その前に、家づくりで後悔したくない人に絶対読んでおいてほしい記事を2つ紹介するよ!
- 見落とすと即後悔につながる図面のチェックポイント
家づくりで後悔しないためには、施主も図面をしっかり確認することが絶対に必要。
設計者に任せきりにした結果、「こんなふうにできあがるなんて思わなかった」と後悔する施主がたくさんいます。
- 築古の家を700軒以上見て、リフォームしてきた一級建築士が教える「後悔しないための15+174項目」
家づくりの後悔には「取り返しのつかないレベル」のものがいくつかあります。
なかには、1千万円超えの負担を強いられるエグイ後悔も。
そんな震えるほどの後悔を20年後にしてしまわないために、この記事がめちゃくちゃ役立ちます。
4畳のウォークインクローゼットをレイアウトする前に広さを確認
ウォークインクローゼットをレイアウトしたり、間取りを考えたりする前に、まずは4畳がどんな広さなのかを確認していきましょう。
- 在来工法
- 2×4工法
この2つの工法で内寸を確認していきます。
在来工法4畳のウォークインクローゼット
在来工法で4畳のウォークインクローゼットを造ると、以下の広さ感になります。
「意外と広いな」と思うかもしれませんが、ここにみっちりとハンガーパイプや棚をレイアウトしていくと、あっという間にスペースは埋まってしまいます。
2×4工法4畳のウォークインクローゼット
2×4工法で4畳のウォークインクローゼットを造ると、以下の広さ感になります。
2×4工法は在来工法よりも壁厚が16mm薄いので、同じ4畳でも内寸が少し広くなります。
4畳の広さ感が確認できたので、次はレイアウトや間取りを見ていきましょう。
4畳のウォークインクローゼットをレイアウト①長辺入り
4畳ウォークインクローゼットのレイアウト、1種類目は長辺入り。
ロの字にパイプを配置し、みっちり収納できるようにしました。
左右にわけたので、夫婦や兄弟でエリアをわけて使うのもおすすめ。
トータルの収納長さは7,346(7,310)mm。
図面や文章の数字は、2×4工法(在来工法)で示すよ
服の厚みを60~80mmとすると、92~122枚掛けられます。
ハンガーパイプを上下2段にすれば、184~244枚。
さすが4畳のウォークインクローゼット、けっこうな収納量ですね。
ただ、このレイアウトは、出入口面の収納が分断されて使いにくかったり、通路幅が狭かったりと、デメリットも。
さすがに、この通路幅はキツイな
このように感じる人もいると思うので、次はこのウォークインクローゼットをベースに、少しバリエーションを変えたレイアウトを見ていきましょう。
- 出入口をずらして、コーナー部分の使いにくさを少し解消したレイアウト
- 収納の一部をボトムス専用にして、通路幅の狭さを解消したレイアウト
- 収納の一部を棚にして、通路幅の狭さを解消したレイアウト
- 収納の一部をボトムス専用&棚にした折衷レイアウト
- ウォークインクローゼットにふとんを収納するレイアウト
出入口をずらして、コーナー部分の使いにくさを少し解消したレイアウト
長辺入りレイアウト、1つ目は出入口をずらし、コーナー部分の使いにくさを解消したもの。
出入口をずらすことで、細切れになっていた出入口面の収納が連続して使えるようになりました。
収納の一部をボトムス専用にして、通路幅の狭さを解消したレイアウト
長辺入りレイアウト、2つ目は収納の一部をボトムス専用にして、通路幅を広げたレイアウト。
コートなどのトップスをかける場合は奥行き550~600mm必要ですが、ボトムスは400mmあればOK。
506(490)mmしかなかった通路幅が、706(690)mmになり、20cmも広くなりました。
収納の一部を棚にして、通路幅の狭さを解消したレイアウト
長辺入りレイアウト、3つ目は収納の一部を棚にして、通路幅を広げたレイアウト。
棚の奥行は300~450mm程度で、収納したいものをイメージしながら決めましょう。
収納の一部をボトムス専用&棚にした折衷レイアウト
長辺入りレイアウト、4つ目はボトムス専用と棚の両方を配置したもの。
1,600mmの幅をボトムスと棚に分けるので、収納量はちょっと少な目。
でも、棚の段数を増やしたり、ハンガーパイプを上下2段にすれば、それなりの収納量にはなりますよ。
ウォークインクローゼットにふとんを収納するレイアウト
長辺入りレイアウト、5つ目はふとんを収納できるようにしたもの。
ウォークインクローゼットに収納したいものを施主に確認すると、けっこうな頻度で要望されるのが、ふとんです。
このレイアウトなら出入口のすぐ横にふとん収納を造ることができるので、使い勝手はばつぐんです。
次は、通り抜けできるタイプの間取りを見ていきましょう。
4畳のウォークインクローゼットをレイアウト②長辺入り×通り抜け
4畳ウォークインクローゼットのレイアウト、2種類目は長辺入りで通り抜けできるもの。
トータルの収納長さは6,664(6,600)mm。
83~111枚の服が掛けられます。
ハンガーパイプを上下2段にすれば、166~222枚。
通路の左右でゾーンが分かれるので、夫婦や兄弟でわけて使いやすいレイアウトです。
ただ、先ほどの通り抜けできないタイプの長辺入りと同様に、出入口で収納が分断されるので、そこを解消したレイアウトも見てみましょう。
通路がすっきりしましたね。
さらに、通路幅を広げたい場合は、先に紹介した
- ボトムス専用
- 棚
これらを収納の一部に組み込むことで解決します。
次は、短辺入りの間取りを確認していきましょう。
4畳のウォークインクローゼットをレイアウト③短辺入り
4畳ウォークインクローゼットのレイアウト、3種類目は短辺入り。
4畳のウォークインクローゼットで収納量が最大になるレイアウトです。
トータルの収納長さは、7,558(7,510)mm。
94~125枚の服が掛けられます。
ハンガーパイプを上下2段にすれば、188~250枚。
短辺入りの場合も、やっぱり通路幅が狭いのが気になる人や、ふとんを収納したい人がいるはずので、上のプランをベースにした対策レイアウトを見ていきましょう。
- 収納の一部をボトムス専用にして、通路幅の狭さを解消したレイアウト
- 収納の一部を棚にして、通路幅の狭さを解消したレイアウト
- 収納の一部をボトムス専用&棚にした折衷レイアウト
- ウォークインクローゼットにふとんを収納するレイアウト
収納の一部をボトムス専用にして、通路幅の狭さを解消したレイアウト
短辺入りレイアウト、1つ目は収納の一部をボトムス専用にして、通路幅を広げたもの。
ちょっとボトムス専用が多すぎるかなという気もしますが、パンツをたくさん収納したい人にはいいかもしれません。
収納の一部を棚にして、通路幅の狭さを解消したレイアウト
短辺入りレイアウト、2つ目は収納の一部を棚にして、通路幅を広げたもの。
これまで私が施主と話してきた感覚から、棚はいくらあっても困らないはず!なので、棚が多いレイアウトも使いやすいと思います。
収納したいものは、年齢や生活スタイルによって変わるので、可動棚にしておくのがマストです。
収納の一部をボトムス専用&棚にした折衷レイアウト
短辺入りレイアウト、3つ目は収納の一部をボトムス専用と棚にした折衷案。
一辺を全部ボトムス専用にするのも、棚にするのも、ちょっと多すぎる
このような人におすすめなのが、この折衷レイアウトです。
我が家だったらこのレイアウトか、通路幅が狭くても全部奥行600mmのパイプにするかのどちらかにするかなぁ
ウォークインクローゼットにふとんを収納するレイアウト
短辺入りレイアウト、4つ目はふとんが収納できるもの。
狭い通路の先にふとんを収納するスペースがあるので、あまり頻繁に出し入れするふとんだとツライと思います。
4畳のウォークインクローゼットをレイアウト④短辺入り×通り抜け
4畳ウォークインクローゼットのレイアウト、4種類目は短辺入りで通り抜けができるもの。
トータルの収納長さは7,052(7,020)mm。
88~117枚の服が掛けられます。
ハンガーパイプを上下2段にすれば、176~234枚。
こちらも通路の左右でゾーンが分かれるので、夫婦や兄弟でわけて使いやすいレイアウトです。
複数人で使うウォークインクローゼットは、場所取り合戦が起きやすいので、はっきりゾーン分けできるレイアウトがおすすめだよ!
先の通り抜けできないタイプの短辺入りと同様に通路幅が狭いので、気になる場合は以下を検討してみてくださいね。
- ボトムス専用
- 棚
これらを収納の一部に組み込むことで解決します。
続いて、4畳ウォークインクローゼットで、おすすめしない間取りとレイアウトを紹介します。
4畳のウォークインクローゼットをレイアウト⑤イマイチな間取り
4畳ウォークインクローゼットのレイアウト、5種類目はおすすめできない間取り。
間取り的に出入口の位置がイマイチで、レイアウトがうまくできないのがこちら。
↓ ↓ ↓
せっかく4畳も使っているのに、トータルの収納長さは約5,550mm。
4畳のウォークインクローゼットで最大の収納量があるレイアウトと比べ、2mも少なくなっています。
4畳をウォークインにする必要はある?
4畳のウォークインクローゼットを間取りを変えたり、レイアウトを変えたりしながらいろいろ見てきましたが、以下も考えてみてください。
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そもそも、その4畳を
ウォークインクローゼットにする
意味はある?
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- 通り抜けしたい
- ウォークインクローゼットの中で着替えたい
- 服以外のものも収納する納戸としても使いたい
このような明確な理由がある場合はいいですが、ふつうのクローゼットのほうが使いやすいケースも多々あります。
たとえば、4畳をクローゼット4つにした場合。
奥行きがあるので、クローゼットではなく押入れとしてふとんを入れることもできます。
さらに、クローゼットとウォークインクローゼットにした場合。
この間取りもすごく使いやすく、ムダのないレイアウトです。
本当に、4畳をまるまるウォークインクローゼットにするのがベストなのか。
よく考えてみてくださいね。
ウォークインクローゼット4畳のレイアウトと間取り|まとめ
4畳のウォークインクローゼットは、短辺入りコの字型レイアウトが最大の収納量になることがわかりました。
ただ、4畳にギッチリ収納するレイアウトなので、通路幅は狭め。
狭い通路幅でも採用する人は多いですが、どうしても気になる人は収納の一部に奥行きの少ないボトムス専用収納や棚を配置します。
あなたが優先するのは、収納量なのか通路幅なのか。
記事中の図面に入れた寸法を参考にしながら、検討してみてくださいね。