シューズクロークをつくったものの、いらなかったと後悔する施主がいます。

シューズクロークがあれば、玄関がスッキリ片付くよね



ベビーカーをシューズクロークに入れたい



アウトドア用品がたくさんあるから、シューズクロークは絶対に必要
このように、前のめりでつくったシューズクロークなのに、なぜ「いらなかった」と後悔するのでしょうか。
それは、間取りが原因。
リフォーム設計を本業とし、築5~50年の家に日常的におじゃましている私が、



シューズクロークはいらなかった
とよく後悔されている間取りを5つ教えます。
どの間取りも、



これでは「シューズクロークはいらなかった」と後悔するよなぁ
と思うものばかり。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
さっそく、1つ目のシューズクロークがいらなかった間取りを紹介する前に……



家づくりで後悔したくない人に絶対読んでおいてほしい記事を2つ紹介するよ!
- 見落とすと即後悔につながる図面のチェックポイント
家づくりで後悔しないためには、施主も図面をしっかり確認することが絶対に必要。
設計者に任せきりにした結果、「こんなふうにできあがるなんて思わなかった」と後悔する施主がたくさんいます。


- 築古の家を700軒以上見て、リフォームしてきた一級建築士が教える「新築後のエグい後悔」。
家づくりの後悔には「取り返しのつかないレベル」のものがいくつかあります。
なかには、1千万円超えの負担を強いられる後悔も。
そんな震えるほどの後悔をしてしまわないために、この記事がめちゃくちゃ役立ちます。


シューズクロークがいらなかった間取り①玄関が狭い
シューズクロークがいらなかったと後悔される間取り、1つ目は狭い玄関のプラン。


狭い空間に無理やりシューズクロークを設けたため、玄関が狭くなってしまった間取りです。



これ、シューズクロークあるあるってくらい、本当によく見かけるよ
- 子供と出かけるとき、玄関に一緒に並べない
- 大きな荷物を持って通り抜けようとすると、きゅうくつ
- シューズクロークに入ろうとしてドアを開けると、ドアがジャマ
このような不自由さを出かけたり、帰宅したりするたびに感じ、



玄関が狭い!



こんなに玄関が狭くなるのなら、シューズクロークなんていらなかった
こんな後悔をする人が少なくありません。
「玄関が狭くても、シューズクロークに全部収納するから大丈夫」
このような考え方もあるでしょう。
でも、本当にその玄関のサイズで大丈夫なのかをもう1度考えてみてください。
ちなみに、私が狭い玄関で一番イヤなのは虫問題。
蚊などの害虫が多い季節には、すぐに玄関ドアを閉めたいもの。
でも、玄関が狭いせいで、複数の人が家の中に入ろうとすると時間がかかる—
これ、めちゃくちゃストレスです。
「狭い」は人によって感じ方がまったく異なります。
あなたにとっての「狭い玄関」は、どのくらいのサイズですか?
シューズクロークがいらなかった間取り②収納量が少ない
シューズクロークがいらなかったと後悔されやすい間取り、2つ目は収納量が少ないプラン。


よく言われることですが、シューズクロークやウォークインクローゼットなど、人が中に入って使用する収納は、そうでないものと比べて収納量が少なくなります。
間取りによっては、そのデメリットが際立ち、スペースに対する収納量が著しく少なくなることも。
その一例が上の間取りです。
この間取りのシューズクロークは、3/4畳のスペースを使いながら、収納スペースの幅が800mm程度しかありません。



床から天井までを収納するにしても、あまりに少ない……
収納量の少ないシューズクロークには、キャパオーバーになるくらいのものが詰め込まれ、しっちゃかめっちゃかになりがち。
物であふれかえったシューズクロークを、私はこれまでに何度見たかわかりません。
あなたが計画しているシューズクロークの収納量は大丈夫ですか?
そこにしまいたいものが、ちゃんとおさまりますか?
収納量の少ないシューズクロークは、「いらなかった」と後悔されることがすごく多いので、気を付けてくださいね。
シューズクロークがいらなかった間取り③使うのが面倒
シューズクロークがいらなかったと後悔されやすい間取り、3つ目は使い勝手の悪いプラン。
ここまでに紹介した間取りを見て、以下のように考えた人はいませんか?



出入口が2カ所あるから、玄関が狭くなったり、収納量が少なくなったりするのでは?
次は、そのように考える人にこそ見てもらいたい「使うのが面倒」なプランです。


帰宅時の動線を考えてみましょう。


- 玄関ドアを開けて家の中に入る
- シューズクロークのドアを開けて中に入る
- クツを脱ぐ
- サンダルに履き替えて、玄関に戻る
- サンダルを脱いで、家に上がる
- コート掛けに上着を掛ける
これ、きちんとした人にはなんでもない動線かもしれませんが、横着人種(私です(/o\))にはたまらなく面倒です。
動線だけでなく、物であふれかえっているシューズクロークの中に入っていくのも苦痛。
そのうち、玄関にクツを脱ぎっぱなしにするのが目に見えています。
そして、使われなくなったシューズクロークを横目につぶやくのです。



シューズクロークなんて、いらなかった
ちなみに、この間取りの場合、私だったらふだん使い用の靴箱を提案します。


シューズクロークの中には、ふだん使わないクツや、クツ以外のものを収納。
ただし、そうすることで玄関があまりに狭くなりそうな場合は、シューズクロークの採用自体を再検討する必要があります。
シューズクロークがいらなかった間取り④玄関収納でじゅうぶん
シューズクロークがいらなかったと後悔されやすい間取り、4つ目は「ふつうの玄関収納でよくない?」と思えてしまうプラン


たとえば上のプランは、1畳のスペースを使って収納の幅が1,600mm程度です。
同じ収納量をシューズボックスで確保すれば、玄関を広く使うことができますよ。







でも、玄関収納の奥行だと、バギーとかゴルフバックとか収納しにくいものがあるんだよな
そう考える人は、1畳分のスペースをシューズクロークにするのではなく、人が中に入らない収納にするのはいかがでしょうか。




- 図面のように扉を引き違い→開けたときに戸がジャマにならない
- 画像のように扉を折れ戸→全開できるので、一気に中のものを見ることができる
お好みで選んでくださいね。
シューズクロークがいらなかった間取り⑤外の物置でじゅうぶん
シューズクロークがいらなかったと後悔されやすい間取り、5つ目は家の外に物置を置けば事足りるプラン。


間取りやプランというよりは、施主が収納したいものに左右されるお話しなので、このプラン自体が悪いわけではありません。
たくさんあるアウトドア用品を収納しようとシューズクロークを設けたものの、外に物置をつくったら、シューズクロークに収納したいものがなくなってしまったというケースです。


あなたがシューズクロークに収納したいものは、どうですか?
シューズクロークにしか収納できないものですか?
もう1度よく考えてみてくださいね。
シューズクロークがいらなかった間取り|まとめ
シューズクロークがいらなかったと後悔されやすい間取りを5つ紹介してきました。
これまでにたくさんの施主の家を見てきた私が、散らかっているな、片付いていないなと感じる場所ナンバー1は、シューズクローク。
収納量が足りなかったり、使いにくかったりと、間取りを作成する時点で間違えてしまっているのが原因です。
そして、シューズクロークがいるかいらないかを考えるのに、おすすめの方法を教えます。
それは、
シューズクロークがあるプランと、シューズクロークがないプランを比べてみてください。
もしかしたら、



あれ?シューズクロークはいらなかったかも?
このように考えが変わるかもしれませんよ。
限りある家の面積のなかで、「いらなかったな」と後悔する空間ほど残念なものはありません。
あなたの家のシューズクロークが使いやすく、快適なものになることを願っています。