シューズクロークの幅が910mmしかとれないけれど、大丈夫かな?
このように悩む施主が多いので、2つの間取りをもとに使い勝手を検証します。
私はリフォーム設計歴20年超えのプロ。
新築時につくった「使いにくいシューズクロークの成れの果て」をいくつも見てきました。
もちろん、そのなかには幅910mmのシューズクロークも。

じゃあやっぱり幅910mmのシューズクロークは使いにくいの?
そんなことはありません。
幅910mmのシューズクロークの間取りには、使いやすいものと使いにくいものがあるのです。
あなたがこれからつくろうとする幅910mmのシューズクロークは、使いやすい間取りなのか、それとも使いにくいのか—
この記事を読めば、簡単に判断できますよ(^-^)
さっそく、シューズクロークの幅が910でOKかどうかをお話する前に……



家づくりで後悔したくない人に、絶対読んでおいてほしい記事を2つ紹介するよ!
- 見落とすと即後悔につながる図面のチェックポイント
家づくりで後悔しないためには、施主も図面をしっかり確認することが絶対に必要。
設計者に任せきりにした結果、「こんなふうにできあがるなんて思わなかった」と後悔する施主がたくさんいます。


- 築古の家を700軒以上見て、リフォームしてきた一級建築士が教える「新築後のエグい後悔」。
家づくりの後悔には「取り返しのつかないレベル」のものがいくつかあります。
なかには、1千万円超えの負担を強いられる後悔も。
そんな震えるほどの後悔をしてしまわないために、この記事がめちゃくちゃ役立ちます。


シューズクロークの幅は910mmでOK?
シューズクロークの幅は910mmではきゅうくつすぎて使いにくいのか、それともふつうに使えるのか。
気になっているのはそこだと思うので、答えを言いますね。



開口部の位置によるよ!
幅910mmのシューズクロークは、開口部(扉)の位置とサイズによって使いやすいか使いにくいかが決まるのです。
さっそく幅910mmのシューズクロークのプランを見比べていきましょう。
シューズクロークの幅が910mmでは使いにくい間取り
シューズクロークの幅が910mmではきゅうくつで使いにくい間取りを見ていきましょう。


パースを見ただけでもめちゃくちゃ狭いのは伝わると思いますが、図面も描いたのでどうぞ。




注目してほしいのが通路幅です。
上の図面はツーバイフォーで作図しているので、在来工法の場合はもっと狭い通路幅になります。
- 棚板の奥行を300mmにしたときの通路幅
- ツーバイフォー工法→496mm
- 在来工法3.5寸柱→480mm
- 在来工法4寸柱→465mm
この通路幅では、なんにも収納しない状態ですらまっすぐ歩くことができず、カニ歩きになります。
ここに、バギーやゴルフバッグ、アウトドア用品など、棚板の奥行を超えるものが収納されたら……



中に入るのが憂鬱なシューズクロークになること間違いなし!
中に入りこまないと使えないタイプの間取りの場合、幅910mmのシューズクロークは狭くて使いにくいものになります。
実際に施工している現場も見かけますが、私は施主が「狭くてもいいからやってくれ」と言わない限りは提案しません。
シューズクロークの幅が910mmでも使いやすい間取り
続いて、シューズクロークの幅が910mmでも使いやすい間取りを見ていきましょう。


ちょっと奥行きが狭いけれど、施工事例を見つけたのでそれも張っておきます。


図面はこちら。




注目してほしいのは開口部です。
先ほど私は、



幅910mmのシューズクロークが使いやすいか使いにくいかは、開口部による
とお話しました。
その答えがこの開口部(扉)の位置。
幅910mmのシューズクロークが使いやすくなるのは、図面のように長辺側に大きな開口部を設けた間取りだけです。
この間取りなら、シューズクロークの中に人が丸々入り込まなくてもいいので、幅が910mmでもすごく使いやすいし、バギーもゴルフバッグも楽勝で収納できます。
めちゃくちゃ使いやすいので、本当におすすめの間取りです。
この長辺側に大きな開口部をつける間取りの場合、幅を910mmの半分である455mmにすることがほとんど。


でも、幅455mmではバギーやゴルフバッグを入れると、かなりきゅうくつになってしまうし、ふつうにシューズボックスを置くのと収納量はたいして変わりません。




幅910mmにすることで、収納の中に1歩足を踏み込んで使えるゆったりしたシューズクロークになるのです。





でも、この間取りで幅910mmってちょっともったいなくない?
たしかにそう感じる施主もいます。
そんなときにおすすめなのが、910mmの3/4モデュールである682.5mm。




この682.5mmという幅は、シューズクロークだけでなく、服を掛けるクロークとしてもよく使う寸法です。
狭すぎず、広すぎてもったいないということもない、めちゃくちゃ使い勝手のいい寸法なので、覚えておいてくださいね。
それと、開口部に使う扉について。
パースは折れ戸で描きましたが、引き違いもおすすめです。


↑幅が910mm以上ありますが、幅の広いシューズクロークの参考になる画像だと思います。
- 収納の中を全部見渡したい人→折れ戸
- 開いたときに扉がジャマにならないのがいい人→引き違い
玄関の広さやお好みで選んでくださいね。
シューズクロークの幅は910mmでOK?まとめ
幅910mmのシューズクロークが使いやすいか否かについてお話してきました。
シューズクロークというと、どうしても人が中に入り込んで使うものをイメージする人が多いですが、幅910mmでそれをやるとほんとうにきゅうくつ。
きゅうくつなだけでなく、使い勝手が悪く、開かずの収納になりやすいのです。
それに比べて、長辺側に大きな開口部(扉)を設けたシューズクロークは、きゅうくつどころかゆったりとして、すごく使いやすい間取り。



どうしても、シューズクロークの中に入り込んで使うんだ
このこだわりをなくすだけで、本当に快適に使えますよ。
910mmの幅がもったいないと思う人は、682.5mmもおすすめです。 これからつくるあなたのシューズクロークが使いやすいものになりますように。